サクセス育毛トニックで髪は生えるのか?

サクセス育毛トニックで髪は生える?

サクセス育毛トニックは1987年発売と30年の歴史があり、現在販売されている育毛剤の中ではかなり息の長いものになっています。ただ古くからあるものだけに現代においてその効果はいかほどのものか気になるところ。

「育毛トニックといえばサクセス」と言っても過言ではないほどの知名度を誇るも、近年は育毛シャンプーで有名なスカルプDが育毛ジェットを出したり、そもそも他社からも様々な育毛剤が販売されており、サクセス薬用育毛トニックの影が薄くなってきた感は否めません。

サクセス育毛トニックは他の育毛剤に比べて効果や価格の面でどうなのか?成分などはどうなっているのかなど気になる点について徹底的に掘り下げてみたいと思います。

サクセス薬用育毛トニックの成分は?

サクセス育毛トニックってメントールでスカッとさせるイメージはあるものの、育毛の成分が入っている印象ってあまりないですよね。

しかしサクセスはれっきとした医薬部外品であり、当然それを名乗るための有効成分も入っていますので、まずは全成分を見てみましょう。

サクセス育毛トニック
有効成分
トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン(t-フラバノン)
ニコチン酸アミド
ピロクトン オラミン


その他の成分
エタノール

二酸化炭素
ユーカリエキス
黄杞エキス
トウガラシエキス
メントール
dl-カンフル
BG
ヒドロキシプロピルセルロース
イソノナン酸イソノニル
乳酸
無水エタノール

様々な育毛剤を見てきた私でも聞き覚えのないものが多く、イクオスやチャップアップに代表されるような育毛剤の多くに有効成分として配合されるセンブリエキスやグリチルリチン酸の文字もありません。

それでも聞き覚えのある成分を探すなら、その他の成分のユーカリエキスやトウガラシエキス、黄杞エキスあたりになりますが…というか、その他の成分で育毛に効果がありそうなのがこの3つしかありません。

これらの成分の効果を簡単に見てみると…

ユーカリエキス

オーストラリア原産の植物であるユーカリの葉から抽出されるエキスで、殺菌作用や抗炎症作用、血行促進作用があります。

黄杞エキス

黄杞というのは中国南部に自生するクルミ科の木で、一般的にその葉から抽出したお茶などに使用されます。

化粧品の成分として配合されることもある黄杞エキスの主な効果は抗炎症作用。

トウガラシエキス

唐辛子に含まれるカプサイシンに代表されるように血行促進作用が期待でき、その他にも抗炎症作用などの効果があります。


…んー、基本的には炎症を抑えることによって頭皮環境を改善しつつ血行促進させるというものが揃っており、メントールや二酸化炭素による爽快感なども加え育毛トニックのイメージ通りの成分といったところでしょうか。

ただ、育毛剤として考えるとかなり弱いのも確か。

サクセス薬用育毛トニックの有効成分

一般的な育毛剤に慣れ親しんでいるいる人にとっては聞き慣れない名前が並んでいるサクセス薬用育毛トニックの有効成分。

ただ、サクセスの最大の目玉は有効成分の一つである「t-フラバノン」なので、これを含め有効成分についても言及してみましょう。

■t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)

t-フラバノンはサクセスを製造・販売している花王独自の育毛有効成分。

薄毛が進行している状況だと毛乳頭細胞にTGF-βとうタンパク質が作られ、これが毛母細胞の分裂を抑制、髪の成長妨げるとされ、t-フラバノンはこのTGF-βの働きを抑え育毛促進させるというもの。

このt-フラバノンは2010年の男性型脱毛症診療ガイドラインでも評価されており…

サクセス育毛トニックのt-フラバノン評価

このように微妙な結果となっています。

花王独自の育毛成分というのは期待させる要素ではあるものの、データが少なく根拠がないという結論に。

■ニコチン酸アミド

ビタミンB群の一種で「ナイアシンアミド」と呼ばれることも。

血管拡張や新陳代謝の促進といった作用があるものの育毛への効果は未知数で、実際これが使われる育毛剤はほとんど目にしない。

パントガールやルグゼバイブが世界中で使われているようにビタミンB群は育毛において重要という位置づけですが、それは女性に対してのものであり、遺伝や体質的要素が大きい男性の薄毛に対しては効果は限定的か。

■ピロクトン オラミン

抗菌作用に優れるためフケなどを抑える目的でシャンプーなどに多く用いられ、化粧品では防腐剤として使用されることもある成分です。

直接育毛に関わるものではありません。


ここまで有効成分とその他の成分を見てきて、サクセス薬用育毛トニックは基本的に製造・販売を行う花王が独自に開発した成分であるt-フラバノンに頼ったものであることが分かります。

男性型脱毛症診療ガイドラインでは微妙な判定だったものの、これが策定された2010年以降様々な育毛剤や育毛成分が登場していますから、それらを勘案した場合t-フラバノンはどの程度の位置づけになるのか気になるところ。

ただ、間違いないのは成分数が圧倒的に少ないところ。

■サクセスのスカルプ成分は有効成分含め6種
■最大の目玉であるt-フラバノンの効果は微妙

サクセス育毛トニックはむしろ髪の毛に悪いのでは?

育毛トニックで心配なのは刺激の強さやそれに起因する頭皮への悪影響で、「むしろハゲを悪化させるのでは?」と心配している人も多いのではないでしょうか?

基本的にメントールと二酸化炭素による炭酸的な効果に加えジェット噴射で清涼感や爽快感を出しており、また抗炎症作用を持つ成分も配合されているため髪や頭皮に悪影響が出る可能性はほとんどないでしょう。

ただ、一般的な育毛剤に比べ刺激が強いのも確かで、それはエタノールを使用していることからも読み取れます。相性の問題で頭皮にかぶれやかゆみが出る可能性も否定できないので、使ってみて薄毛が悪化した場合は使用を中止したほうがいいでしょう。

保湿作用など成分も少なく、どちらかというと皮脂を取り去る方向の商品ながら、かつて悪者扱いされていた皮脂は近年頭皮の環境を守るためにある程度残しておくことが必要とされているため、乾燥肌の人は育毛トニックの使用を避けたほうがいいかもしれません。

サクセス育毛トニックの価格

育毛剤といえば高価なものというイメージがありますが、サクセス薬用育毛トニックの値段というのはどうなのでしょうか?

実はサクセスは花王が直接通販していることはなく、公式に外部のオンラインショップでの購入を促しています。

サクセス育毛トニックの通販

また定価は明記されておらず実質オープン価格のような状態で、実売価格は税込850~1,080円ほど…つまり定価は1,000円くらいの印象でしょうか。

一般的な育毛剤としては考えられないくらい安価で、似たような商品であるスカルプDジェットの約3,000円と比べても遥かに安くなっています。これを育毛剤として見るかどうかはさておき、お気軽なスカルプケアとしてなら十分価値があるのかもしれません。

サクセス薬用育毛トニックの総評・まとめ

サクセス薬用育毛トニックの最大の強みは価格安さからくるお手軽さで、少なくとも価格面では他の育毛剤に比べ圧倒的に安くなっており、目玉成分であるt-フラバノンも決して悪いものではなく、そう考えるとかなりお得な印象を受けます。

ただ、価格からも分かるようにスカルプ成分は非常に少なく、これを育毛剤と呼んでいいのかという点では疑問が残ります。

頭皮への刺激に加え液自体がサラサラなので液ダレしやすく頭皮に留まらない点もマイナスで、刺激を与え皮脂を奪い去り育毛成分は留まらない…となれば、むしろ悪影響があるのではないかという懸念が出ても不思議ではありません。

私自身どんなものかと一度使ったことがありますが、勢いよく発射されシュワっとした清涼感や爽快感は確かに気持ちの良いもの。しかし育毛剤とは完全に別物で、サラサラかつすぐに蒸発してしまう液で髪が生えることは絶対にないだろうなという印象。

スカルプ商品を使っているという気休め…という表現が一番しっくりくるでしょうか。サクセス薬用育毛トニックはそんな商品です。

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