女性にも朗報?コラーゲンによる薄毛の原因解明

コラーゲンで薄毛が治る?

女性の社会進出が進むにつれストレスの増大や生活習慣の乱れによって女性の薄毛が急増しています。40代になると薄毛を気にする人は男性より女性の方が多くなるというデータがあるほど。

そんな薄毛の対策は生活習慣や食生活を見直したり、タバコやお酒を控えたり、育毛シャンプーや育毛剤を使ったり…といったものがメインになりますが、「これぞ」という決定的なものがないというのが実情です。

そんな中、2016年2月に東京医科歯科大学の研究チームが薄毛の原因を解明したと発表しました。

これまでの研究により薄毛の原因についてはある程度解明されていたと思っていたのですが、さらに新しい情報が出てきたことに。今回のこの発表はどういったものなのでしょうか?

頭皮のコラーゲンが減少し毛穴が無くなる?

東京医科歯科大学の発表では、加齢によって毛穴の中の毛包幹細胞の働きが弱ってくると「17型コラーゲン」が分解、消失し毛包幹細胞はより弱っていき、同時に毛穴も徐々に小さくなり、最終的には毛穴がなくなってしまうというものです。

17型コラーゲン減少と薄毛の仕組み

17型コラーゲンの減少によって薄毛が進行することが解明されたことで、この減少を抑えられれば薄毛の治療に繋がると期待されています。

今回の解明は主にマウスを使ったものですが、人の頭皮でも同じ事が起きていると確認。5~10年後をメドに治療薬を開発したいとしています。

人への確認は女性で行われた

コラーゲン減少による女性の薄毛 注目なのは研究の確認が行われた「ヒト」というのは女性であるという点。

私たち女性も薄毛とは無関係でいられない現代社会において、画期的な薄毛の研究に助成が用いられたというのは大きな意味を持ちます。

右図は上が正常な毛穴や毛根を持つ40歳女性、下が毛穴の収縮によりほとんど埋まってしまった59歳女性の写真。59歳の写真の矢印部分の毛穴が小さくなってしまっているのが見て取れます。

ただ、今回の発表では毛包幹細胞の老化や17型コラーゲンの減少による薄毛のメカニズムが解明されたものの、具体的に加齢のみで起こることなのか、それともそれ以外にも様々な要因で引き起こされることなのかといったものには触れられていません。

画期的な発表なのは理解できますが、現段階ではあまりにも情報が少ないため、今後の動きに注目が集まります。

実用化には大きな壁も

今回の発表、営利目的の企業ではなく東京医科歯科大学という点に信憑性や将来性を感じる人もいるのではないでしょうか?

確かにこういう研究の発表がなされると期待が膨らみますが、現実的な問題としてここから安全性や効果を確認する試験を複数行い、それによってヒトへの効果が実証できてやっと実用化にこぎつけることができます。

実用化ができたとしても数年後、その間に試験などで思うような結果が出なかった場合は立ち消えやお蔵入りになる可能性も十分あるのです。

そう考えると過度な期待は禁物といったところでしょうか。

とはいえ、女性の薄毛というのは対策をしなければ悪化する一方であることがほとんど。数年後に17型コラーゲンを用いた治療が確立したとしても、私たちにとっては手遅れになっている場合も。

今回の研究に限らず将来的には今よりもっと効果的な治療法が出てくると思われますから、それまで生活習慣の改善や育毛剤の使用などでできる限り髪の毛を維持しておきたいところです。

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