M字ハゲ…その名の通り生え際の両サイドから薄くなっていくタイプの薄毛で、男性型脱毛症（AGA）の典型的なハゲ方。ドラゴンボールの人気キャラクターであるベジータを思い浮かべれば分かりやすい。

このM字ハゲ、一般的には両サイドがバランスよくハゲあがっていくイメージがありますが、現実には左右どちらかだけ進行が早いケースが散見されます。

「左はそうでもないけど、右はずいぶん上がってるな…」

私自身もそう感じている1人。なぜ片方だけM字ハゲが進行してしまうのか？そのメカニズムや原因を探っていきたいと思います。

片方だけM字ハゲが進行する理由

片側だけM字ハゲが酷い理由について以下のようなものが挙げられます。

ひとつずつ具体的に見てみましょう。

体の歪みやバランスの偏り

健康面において人間の体というのは左右対称がベストとされます。その理由は体全体の負担を分散できるから。しかし多くの人は多かれ少なかれ体に歪みが生じているのが実情です。

体や骨格に歪みが生じていると、肩や首のこり、腰痛などなど様々な問題が発生し、それによってアンバランスなハゲ方になってしまう可能性も否定できないのです。

例えば体の歪みによって片方だけ肩や首にこりがある場合。

肩こりは血行が悪化することによって発生するもの。片方だけ肩がこっている状況では頭皮に巡る血液の流れに左右差が生まれ、片側のM字だけ酸素や栄養が不足する事態が想定されます。

また片噛みなども歪みの原因のひとつ。片方の歯だけで食べ物を噛む癖がある人は思く、それが長年続くことで顔の筋肉の付き方が左右で異なってしまい、顔の歪みに発展します。

頭皮にほど近い口周辺の筋肉に左右差があれば、頭皮の血行に影響を及ぼすのは想像に難くありませんよね。

こういったものは長年の姿勢や癖によって引き起こされるため、頭皮の血流の差が微量であっても、それが長年にわたって続けばM字ハゲに影響が出てもおかしくはありません。

長年の髪形

「牽引性脱毛症」というのをご存知でしょうか？

一方向に強く引っ張る髪形を長期間にわたって続けていると、髪の毛や毛根に無理の力がかかり生え際や分け目が徐々に薄くなってしまう脱毛症のこと。ボニーテールやお団子ヘア、ロングヘアで長期間同じ分け目を使用する女性に多い脱毛症。

髪の毛が短い傾向にある男性には無縁のようにも感じますが、ワックスなどである程度固める髪形を長期間続けている場合、髪の毛の一部に負担をかけている可能性があります。

というのも、人間の髪の毛の生え方というのは左右対称ではなく、多かれ少なかれ髪や生え方にクセが存在します。

そうなると同じ髪形でも「右に分けたほうが決まる」「左に流した方がしっくりくる」という状況が生まれ、セットの仕方にある種の「決まり」ができてしまいます。そうすると髪の毛にはその癖が付き、セットの仕方がますます固定化される。

例えば左に流し続ければ右のM字部分に負担がかかり、同じ分け目を使い続ければその分け目部分に負担が集中するのは想像に難くないでしょう。

「そういえば流す方向がずっと同じだわ」と感じている人は要注意。

生まれつき

髪の毛の生え方や流れに個人個人で癖が存在するように、人間の髪の毛というのは必ずしも左右対称に生えているわけではありません。

多くは「左右で概ね一緒」ではあるものの、完全に一致している人は存在しないと言っても過言ではないでしょう。顔も左右で微妙に違っていますよね。

私自身、中学は坊主が強制されていた時代の人間ということもあり、その頃からM字部分が薄いことを自覚していました。特に右側が薄く、祖父もM字ハゲだったことから、10代半ばという若さにして「俺、ここからハゲていくんだな…」と達観。

髪形が自由になる高校からは右のM字部分を隠すよう髪の毛を右に流していましたが、それでも右側のM字の薄さは如何ともしがたく、30手前にしてM字ハゲ発覚。そして現在も右のM字部分の方が上がっています。

男性型脱毛症（AGA）の一番の原因が遺伝ということを考えると、片方だけ進行が早いM字ハゲも生まれつきのものなのかもしれません。

片側だけM字ハゲの進行が早い芸能人

M字ハゲの進行が片方だけ早い人は芸能人にも多いですよね。

さまーずの三村マサカズさんはその典型。元々おでこが広いのでこれがM字ハゲなのかどうかまではハッキリしないものの、左のM字部分の方が上がっているのが見て取れます。

くりーむしりゅーの有田哲平さんも片方だけ上がっているように見えますね。この人も若い頃からおでこが広かったためM字ハゲとは言い切れませんが、左右のM字部分が異なるのは確か。

有田さんの顔が若干歪んでいることを考えると、何らかの影響があるのかもしれません。

他にも元水泳選手の北島康介さんやDA PANPのISSAさん（施術前）など芸能人にも左右非対称のM字を持つ人はいっぱいいますので、そこに注目してみるのも面白いかもしれません。

…テレビでハゲ探しとか不毛だけどな…

M字ハゲが片方だけ進行し続けることはない

M字ハゲが片側だけ進行していると見た目のバランスも悪いし、「このまま右側（左側）だけ進行し続けたらどうなるんだろう」という不安に駆られますよね。もしかしたらシオマネキみたいにアンバランスなハゲになるのではないかと。

結論から言えばそこまで心配する必要はありません。

M字ハゲはAGAであるため、対策をしない限り進行が止まることはありませんが、片方だけが一方的にハゲて行くことはありません。どちらか片方だけやや薄いまま両サイドもしくは生え際全体が上がっていくことになるでしょう。

まあハゲ自体は止まらないんですけどね。

基本的にハゲる一方のAGAを食い止めるには何かしらの対策を講じる必要があります。

M字ハゲが片方だけ酷い場合の対処法

M字部分が片方だけ薄い場合の対処法として考えられるものは複数存在します。代表的なものを挙げていきましょう。

分け目や流す方向を変える

長年にわたって同じような髪形をするなど牽引性脱毛症が疑われる場合には、髪形を大きく変えることで改善が見込めるかもしれません。

例えば長期間6：4～7：3分けをしており分け目部分が薄く感じる場合は、分け目を逆にする、もしくは思い切って短くして分け目を作らない髪形にしてしまう方法が考えられます。

また、髪の毛の生え方に逆らうような髪形を続けている場合は生え際などに負担がかかっている可能性がありますので、ご自分の髪の毛の癖に合った髪型を心がけましょう。

考えようによっては坊主やスキンヘッドは薄毛が目立たなくなる上に髪形の負担もなくなるベストの髪形かもしれません。ある程度薄毛が進行しているケースでは「潔く坊主にしてほしい」と考える女性が多いことからも一考の余地あり。

育毛剤や発毛剤を使う

基本的にM字ハゲは進行性のAGAであるため、片側うんぬん悩んでいる間にも徐々に進行し、最終的には左右のM字が繋がり中央部の髪だけ残る「アイランドハゲ」や、頭頂部のハゲと繋がる全スカ状態になってしまいます。

現状でそれを食い止めるにはフィナステリド（商品名：プロペシア）やミノキシジルといった発毛剤や、高機能の育毛剤を使う以外に方法はありません。自毛植毛という選択肢もあるが費用は100万円超を覚悟する必要が。

フィナステリドやミノキシジルといった厚生労働省に認められた発毛成分は3種しか存在しないため、どれを使えばいいか悩むことはほとんどないものの、性機能障害などの副作用が心配。

また、医療機関でプロペシアやザガーロを処方してもらうと安心感はある一方で1ヶ月1万円程度は覚悟する必要があるため、6分の1程度の価格で購入できるフィンペシアやベルトリドという選択肢も。

外用薬ならフォリックスFR15あたりになるでしょうか。

一方、市販の育毛剤は副作用の心配がほとんどありませんが、その効果は商品によってピンからキリまであり玉石混交の様相を呈しています。ゆえにどれを使えばいいか分からないというのが悩みの種ともいえます。

本当に効果がある育毛剤というのは限られ、現状では育毛サプリメントとのセットで体の内外から育毛させることができるチャップアップやイクオス、もしくはミノキシジルを遥かに上回る効果があるキャピキシルを使い、かつ比較的安価に抑えられているフィンジアやボストンあたりでしょうか。

薄毛の状況や許容できる副作用・費用を考えた上で選択するようにしてください。

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