禁煙は薄毛の改善・予防に大きな効果

「百害あって一利なし」と言われるタバコ。それは髪の毛にとっても例外ではなく薄毛の原因物質を増やすというデータも存在するなど、ハゲたくないなら禁煙をするに越したことはありません。

禁煙は薄毛改善に効果的

厚生労働省やJTが公表しているデータではタバコを吸っている方は年々減少しているとされ、2017年現在喫煙率は全体で20%を切っています。

しかしそれは母数が多く健康問題で喫煙率の低い60歳以上やタバコへの興味が薄れている20代も含めての話であり、働き盛りの30~50代はいまだ35~40%程度で推移しています。

実際周囲を見渡してもこの世代の喫煙率は非常に高く、私と同年代の30代40代に至っては感覚的に半数以上吸っている印象が。

しかしこの30~40代というのは薄毛やハゲの問題に直面する年齢でもあります。

髪の毛への悪影響は必至とあって育毛や薄毛予防の観点からも禁煙するべきなのは間違いありませんが、一度吸ってしまうとなかなか止められないタバコ。

ハゲを含め体に様々な悪影響があるタバコを続けるか、それとも一念発起して禁煙するか…改めてタバコの悪影響について取り上げていきたいと思います。

タバコが髪の毛に与える悪影響

体に害がある事は広く知られているタバコですが、髪の毛の成長にも悪影響を及ぼし薄毛を引き起こす要因になるばかりか、発毛剤や育毛剤を使っているのであればその効果を弱めてしまう事も考えられます。

■頭皮への血流を悪化させる

タバコが髪の毛に与える影響としてまず考えられるのが、誰もが何となく感じているであろう「頭皮への血流の悪化」で、血管を収縮させる作用がある喫煙は頭皮や髪の毛に必要な栄養や酸素を運ぶ血液の流れを阻害します。

頭皮の血行が育毛において重要とされるのは体中に栄養や酸素を運ぶのは血液であり、タバコに含まれる一酸化炭素は本来酸素を運ぶはずのヘモグロビンと結びつき一種の酸欠状態を起こしてしまいます。

毛母細胞の成長には酸素は欠かせず、血流の悪化によって十分に行き渡らない栄養と相まって薄毛を進行させます。

■髪の成長に欠かせないビタミンを消費・破壊する

栄養や酸素が行き渡らない事に加えてタバコに含まれるニコチンなどの有害物質は髪の毛の成長に欠かせない各種ビタミンを消費し壊す作用があります。

髪にとってビタミンAやビタミンC、Eなどが必要になりますが、喫煙によってビタミンCが壊され髪の成長にとって特に重要なビタミンB群を消費してしまう点は薄毛を進行させる要因となります。

■ジヒドロテストステロン(DHT)が増加する

そして喫煙が薄毛を引き起こす最大の要因となりうるのがAGAの原因ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)を増やすという点で、米ハーバード大学の調査で喫煙者は平均してDHTが13%増えるという結果が出ています。

AGAの治療においてもっとも使われているプロペシアなどのフィナステリドはテストステロンと結びつきDHTを生み出す「5αリダクターゼ」の働きを阻害するものですが、喫煙によってDHTが増えてしまってはその効果も薄れてしまうでしょう。

■ストレスの増大

「タバコはストレス解消になるから」と正当化して吸っている方もいらっしゃいますが、元喫煙者の私からするとタバコがストレス解消になっているのではなく、タバコを吸っていない時間が「タバコ吸いたい」というストレスになっていると感じています。

「ストレス解消」の名目でタバコをスパスパ吸うとハゲの原因をどんどん増やす結果になりますし、だからといって我慢するとストレスが増大して髪の毛に悪いという目も当てらない状況に陥りがち。

■タバコは頭皮への血流を悪化、髪の成長に必要なビタミンを消費・破壊する
■喫煙者は非喫煙者に比べAGAの原因ホルモンDHTが平均して13%増える
■タバコはストレス解消にはなっておらず、むしろストレスの原因に

薄毛を改善・予防したいなら禁煙に取り組むべき

タバコが「百害あって一利なし」という事実は広く知られている事ですが、タバコの様々な害の中には薄毛の原因となるものも多く存在し、一箱400円を超える現在金銭的な負担も馬鹿になりませんし、周囲の目もますます厳しくなっています。

今は健康保険適用で禁煙外来を受診でき、1日1箱以上吸うような方であれば禁煙外来の費用の方が安いくらいなので、本気で禁煙に取り組みたいという方は一度禁煙外来を受診してみる事をおすすめします。

もし病院に行くのが面倒という方は個人輸入などを使って禁煙治療薬であるチャンピックスを購入し使ってみるというのもひとつの手です。

チャンピックスは脳のニコチン受容体にチャンピックスの成分が結合する事でニコチン切れや喫煙時の快楽を減らす画期的な薬で医療機関の禁煙外来でもほぼ100%使われている薬なのです。

チャンピックスを飲み始めた後のタバコの不味さは吐き気を催すほどでタバコを吸いたいと感じる事も少なくなるため非常に効果的です。

体にも悪いしお金もかかるし周囲から白い目で見られる…冷静に考えればタバコを吸う事が馬鹿らしいと感じる事ができると思うので、ハゲる前に、またハゲを予防するためにぜひ禁煙に取り組んでみて下さい。


加熱式タバコという選択肢も

薄毛対策にアイコス

タバコが薄毛の一因になることは紛れもない事実であるため、これまでは「禁煙するべき」というのが常套句であったものの、近年盛り上がりを見せている電子タバコ(加熱式タバコ)に切り替えるというのもひとつの手かもしれません。

普通の紙巻きタバコと違い加熱式タバコは「燃やす」ということを行わないためタールが発生せず、有害物質に関しても紙巻きタバコより遥かに少ないといわれています。

ただ、ニコチンは含まれているため血管を収縮させ血行悪化を招くのは紙巻きタバコと同様で、具体的な調査が行われていないことから健康などへの影響も「未知数」というのも確か。

アイコス(IQOS)やプルームテックに代表される加熱式タバコ紙巻きタバコに対し健康への害が少ないのであれば髪の毛への悪影響も少ないと考えられますが…

理想を言えば禁煙がベストではあるものの現実的に難しいのも確かなので、妥協案として健康への影響が少ないとされる加熱式タバコに切り替えるという選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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