治らないポストフィナステリド症候群の恐怖

治らないポストフィナステリド症候群

2005年に日本で正式認可されて以来ハゲの救世主としていまなお第一線で活躍している発毛剤プロペシア。現在でもAGA治療の第一選択薬として使用されていますが、数年前からポストフィナステリド症候群という言葉を聞くようになりました。

このポストフィナステリド症候群とは、男性型脱毛症(AGA)治療のためプロペシアなどのフィナステリド内服薬を服用したのち、投薬を中止しても副作用が長年にわたって続く症状のこと。

薬の副作用は使用している間だけのものという認識が一般的だと思われますが、フィナステリド内服薬の場合服用を止めても副作用が続くケースが稀に起きると報告されています。

このポストフィナステリド症候群、具体的にどういったもので、どのくらいの頻度で起こりうるのでしょうか?

    目次
  1. フィナステリド(プロペシア)の副作用
  2. ポストフィナステリド症候群の症状
  3. ポストフィナステリド症候群の原因とメカニズム
  4. ポストフィナステリド症候群の治療法は?
  5. 否定的な意見も
  6. デュタステリドにもポストフィナステリド症候群?
  7. 発毛剤にはリスクがあることを忘れずに

フィナステリド(プロペシア)の副作用

ポストフィナステリド症候群がどういったものかについて知るためには、まずフィナステリドの副作用について見ておく必要があります。

フィナステリド(プロペシア)の使用で報告されている副作用は以下のようになっています。

  • リビドー減退(性欲減退)
  • 勃起機能不全
  • 勃起障害
  • 精液量減少
  • 痒痒症
  • 蕁麻疹
  • 発疹
  • 血管浮腫
  • 睾丸痛
  • 男性不妊症
  • 精液の質低下
  • AST(GOT)上昇
  • ALT(GPT)上昇
  • γ-GTP上昇
  • 乳房圧痛
  • 乳房肥大
  • 抑うつ症状
  • めまい

この中で最も多い副作用が性欲減退、次いで勃起機能不全や勃起障害となっており、全体の副作用頻度はおよそ5%とされます。

フィナステリドは本来前立腺肥大症の治療薬であり、その際に使用される1日の限度量は5mg。一方で男性型脱毛症(AGA)の治療に使用される1日の限度量は1mgであるため、医師の間でも比較的安全な薬という認識が広がっています。

ただし、日本においてフィナステリドはAGA治療薬としてのみ認可されており、前立腺肥大症の治療薬として認可は受けていません。

ポストフィナステリド症候群の症状

様々な副作用が報告されているフィナステリドですが、こういった副作用は薬の服用を中止すれば解消されるのが一般的。しかしフィナステリドの場合、服用を中止しても副作用が続くという症状が稀に起き、これを「ポストフィナステリド症候群(PTS)」と呼んでいます。

中でも問題視されているのが性欲減退や勃起障害といった性機能障害や抑うつ症状が長期間にわたって続くこと。しかもこの症状は若い男性ほど出やすいというデータも。

永続的な性機能障害

ある調査では過去にフィナステリドを使用した男性71名(21~46歳)を対象にインタビューを行い、使用中止後の性欲減退や勃起障害について質問しています。71名のフィナステリド平均使用期間は28ヶ月(2年4ヶ月)で、インタビューを行うまでの期間の平均は40ヶ月(3年4ヶ月)としています。

調査の結果、服用中止から3年4ヶ月経った今でも90%以上の男性が性欲減退や勃起障害を感じているという回答が得られています。

もしこれが事実なのであれば、極めて高い頻度でポストフィナステリド症候群が起きるということになるでしょう。

今後、恋愛、結婚、子作りなどが見込まれる若い男性にとって性機能障害が大きな問題になるのは想像に難くありませんよね。

自殺も考えるほどのうつ症状が継続

性機能障害と並んで問題視されるのがうつ症状。

フィナステリド服用中止後3ヶ月以上にわたって性欲減退や勃起障害が続いている人と、フィナステリドを使用してない人を対象に行った調査では、フィナステリドを使用していない群のうつ症状は10%だったのに対し、フィナステリドを使用していた群は75%にうつ少女が見られたとのこと。

また、そのうち44%は自殺を考えていたとも。

フィナステリドの副作用には抑うつ症状があり、服薬を中止し後でもこの症状が続くとすれば…確かに怖い話です。

お酒に弱くなる

理由や原因は明らかにされていませんが、ポストフィナステリド症候群の人はフィナステリド使用前に比べアルコール消費量が明らかに減少したという報告があります。

端的に言ってしまえばお酒に弱くなるということ。

プロペシアの副作用のひとつに肝機能障害が挙げられているため、その副作用がフィナステリド使用中止後も続くということなのかもしれません。

ポストフィナステリド症候群の原因とメカニズム

海外で研究が行われているポストフィナステリド症候群。当然ながらフィナステリドの服用が原因で起こるとされていますが、具体的なメカニズムはどうなっているのでしょうか?

実はポストフィナステリド症候群について具体的な解明には至っておらず、原因については仮説や推測の域を出ないと前置きしたうえでの話になりますことをご了承ください。

DHTが永続的に減少

AGAの治療薬であるフィナステリドは「5α還元酵素Ⅱ型阻害薬」です。

AGAの原因物質である男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、同じく男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼ(5α還元酵素)が結びついて作られるもの。

フィナステリドは5αリダクターゼを阻害することで薄毛の原因であるDHTの生成を抑制するという作用を持ちます。

このDHT、AGAや前立腺肥大症を引き起こすことから一部では「悪玉ホルモン」なんて呼ばれ方をしますが、男性ホルモンの中でも特に強い作用を示すDHTは、子供の生殖器の成長や性欲を促し、筋肉や体毛など男性らしい体を作り出すうえで重要なホルモン。

フィナステリドはDHTの生成を抑制することでAGAを改善させますが、同時に性欲減退や勃起障害といった副作用のリスクを高めてしまうのです。

フィナステリドのDHT抑制作用は服用を中止することで解消されるのが一般的な認識。しかしポストフィナステリド症候群の症状を訴える男性の脳内の男性ホルモン量を調べた結果、テストステロンの増加とDHTの減少が確認されたという報告があります。

性欲などに強い影響力を持つDHTが持続的に減少してしまうことで、性欲減退や勃起障害が長期間にわたって続いてしまうというのです。

神経ステロイドの減少

ポストフィナステリド症候群ではテストステロンやエストラジオールといったホルモンの増加がみられる一方で、DHTが減ることは前述のとおり。しかし減るのはDHTだけではありません。

不安や抑うつ症状を引き起こすアロプログネノロンや黄体ホルモンの減少も確認されたというのです。そして精神の安定に寄与する神経ステロイドも減少。

これらが原因で抑うつ症状に加え勃起障害が起こると考えられています。

ポストフィナステリド症候群の治療法は?

ポストフィナステリド症候群という考え方が登場してから数年が経っているものの、メカニズムが解明されたわけではなく治療法が確立されていないというのが実情です。

原因であるフィナステリドの服用を中止したにもかかわらず副作用が続くという状況であるため、治療が難しいという背景もあるのでしょう。

それでも症状を軽減させる可能性がある対症療法として、食生活の改善や適度な運動など規則正しい生活を心がけるよう呼びかけています。

テストステロン補充はNG

性欲減退や勃起障害は男性ホルモンであるDHTの減少が原因。であるなら男性ホルモンを補充すればいいのではないか?…と考える人もいるかもしれません。

男性ホルモンであるテストステロンの補充は男性ホルモンの減少で引き起こされる男性の更年期障害や抑うつ症状などにおいて有効な治療法とされるため、ポストフィナステリド症候群にも効果がありそうな気がします。

しかし、ポストフィナステリド症候群ではDHTが減る一方でテストステロンが増える傾向にあり、それに輪をかけるようにテストステロンを補充するというのは適切ではありません。

また、外部からテストステロンを補充すると自身のテストステロンを作り出す昨日が衰える可能性が示唆されています。

実際にこれを行った結果悪化したという事例も多いため、テストステロン補充は行うべきではありません。

抗うつ薬の使用もNG

ポストフィナステリド症候群によって抑うつ症状が出た場合、パキシルやジェイゾロフトといった選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やレメロン・リフレックスのようなノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)といった抗うつ薬の使用を検討するかもしれません。

しかしこれら抗うつ薬は性欲減退や勃起障害といった性機能障害を助長していしまう可能性があるため、使用は避けたほうがいいとされます。

一方、レキソタンやソラナックス、エチゾラムのような抗不安薬(精神安定剤)であれば抑うつ症状を緩和できる可能性も。

ただ、抗不安薬にしろ抗うつ薬にしろ病院で処方してもらう必要があるため、医師としっかり相談するべきでしょう。…とはいえ、ポストフィナステリド症候群に詳しい医師がそうそう日本にいるとは思えないが…

否定的な意見も

主に海外で研究されているポストフィナステリド症候群ですが、これに対し否定的な意見も散見されます。

というのも、ポストフィナステリド症候群と思われる人の調査は行われているものの、その内容に具体性を欠くのも否定できないから。

問題視されている性欲減退や勃起障害、抑うつ症状というのは数値化や客観的に分析するのが難しい症状で、極端な話をすれば「気の持ちよう」によっても左右されるもの。

デュタステリド(商品名:ザガーロ)の臨床試験でプラセボ(偽薬)を服用した群の被験者のうち15%に性欲減退や勃起障害といった副作用が確認されたように、「薬を飲んだ」という思い込みだけでこういった副作用が出るケースは少なくないからです。

このようなことまで想定し客観的なデータを得るには、フィナステリドとプラセボを使用する群を100人単位でそれぞれ分け、被験者はもちろんスタッフすらもどちらの薬を飲んだか分からない二重盲検法を用い、かつ年単位の追跡調査が必要になるでしょう。

そういった客観的かつ厳密な試験を行っていない以上「ポストフィナステリド症候群が存在するというエビデンス(科学的根拠)はない」と言われても仕方がありません。

また抑うつ症状の調査にしても、フィナステリドの服用を中止後3ヶ月以上性機能障害の副作用が継続している61名を対象に行っています。

性機能障害と抑うつ症状は連動している場合が多々あるため、フィナステリドを使用しておらず性機能障害が出ていない人と比較すれば抑うつ症状が多いのは当たり前という見方も。

なんというか…結果ありきで調査している感があるのも否めません。

性機能障害は加齢によるものという見方も

ポストフィナステリド症候群の典型的な症状に性欲減退や勃起障害といった性機能障害が挙げられます。

冒頭でも書いた調査では平均してフィナステリドを28ヶ月使用した後、40ヶ月後の期間を経て聞き取りインタビューが行われています。つまりフィナステリド服用開始から5年以上が経過していることに。

この調査の対象年齢が21~46歳。薬の性質を考えれば30代以降の数がかなり多いと推測されます。フィナステリドの服用から5年以上が経過していることから、加齢によって性機能が自然に衰えていると考えてもなんら不思議ではありません。

常識的に考えて、5~6年も経てばそりゃ性欲も「硬さ」も落ちるさ。35歳と40歳じゃ性欲は全然違うぞ。

ましてやそれを確認した方法はインタビュー。疑問視する声が出るのは当然なのかもしれません。

デュタステリドにもポストフィナステリド症候群?

デュタステリドにもポストフィナステリド症候群?

もうひとつ疑問なのが、2015年に日本で発毛剤として認可されたザガーロ(デュタステリド)にも同様のリスクがあるのかどうか。ポストフィナステリド症候群というくらいだから、フィナステリドのみに見られる症状のような印象を受けますが…

複数の調査の中にはフィナステリド同様前立腺肥大症の治療薬であるデュタステリドも対象にしているものがあります。

デュタステリドは「5α還元酵素Ⅰ・Ⅱ型阻害薬」。つまり「5α還元酵素Ⅱ型阻害薬」であるフィナステリドの作用をさらにパワーアップさせたものなので、これにもポストフィナステリド症候群のリスクがあると見るべきでしょう。

ただ、前述したとおりポストフィナステリド症候群の存在には懐疑的な見方も多いため、過度に恐れる必要はないというのが正直なところか。

発毛剤にはリスクがあることを忘れずに

性機能障害や抑うつ症状が長期的もしくは永続的に続くとされるポストフィナステリド症候群。発症率は必ずしも高くはないものの、これが事実であればフィナステリドやデュタステリドの使用を躊躇ってしまいますよね。

今のところ有力な科学的根拠はなく「一部で過剰に騒がれているだけ」という印象があります。しかしフィナステリドなどの発毛剤に副作用があることは紛れもない事実。

ポストフィナステリド症候群の象徴的な症状である性機能障害やうつ症状の原因には心理的な影響もあると見られるため、「副作用が怖い」と感じながらプロペシアやザガーロを使用すれば発症する可能性が高まるのは間違いないでしょう。

AGA治療を行うため医療機関を受診すれば、一般的に第一選択薬のプロペシア、もしくはそのジェネリック医薬品が処方されます。それで効果がなければより強いザガーロという流れになるでしょう。なぜなら厚生労働省が発毛効果があると認めた処方薬はこの2つしか存在しないから。

ポストフィナステリド症候群に不安を感じるのであれば、とりあえず市販の育毛剤を試してみて、それでもどうしても効果が見られないようなら、そこで初めてフィナステリドを検討してみてはいかがでしょうか。

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